★ タバコ値上げ幅圧縮を指示した財務大臣への抗議文 (2006年5月31日)


財務大臣
谷垣禎一殿
抗議文
2006年 5月 31日
兵庫県喫煙問題研究会
会長  瀬尾 攝(兵庫県医師会名誉会長)

貴下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
私たちは、兵庫県内で喫煙対策を推進するために活動している、医師、歯科医師、保健師などの医療関係者、教育関係者、一般県民などを構成員とする市民団体、兵庫県喫煙問題研究会です。

このたび、フィリップ・モリス・ジャパンによる「マールボロ」など一部銘柄を一箱30円値上げしたいという申請に対し、便乗値上げであるという理由で値上げ幅を20円に圧縮するよう指導があった旨の報道(読売新聞5月25日夕刊など)がありました。この財務省の指導に対して抗議いたします。

タバコの値上げは、便乗値上げであれ何であれ、タバコに苦しむ者やタバコの害をなくそうと願う者は歓迎していました。にもかかわらず、財務省の指導によって一箱20円の値上げに圧縮されてしまったことは、まことに残念であります。

公益企業なら便乗値上げを理由として価格に介入することは国民の納得を得られますが、タバコ産業は公益企業ではありません。タバコの害は医学的に証明されておりタバコの価格をかなり高く設定するのが良いことは社会医療経済学的に多くの実例やシュミレーションから証明されています。従って、価格は高ければ高いほどタバコの消費量は少なくなり、国民全体の利益となります。

よって、便乗値上げの阻止は、国民の福祉の向上という政府の本来の目的に逆行する行為であったと言わざるを得ません。ここに厳しく抗議いたします。

なお、わが国が批准したタバコ規制枠組み条約(FCTC)に規定されているように、更に大きな税率へと移行し、更に高い小売価格へと誘導していただけるように陳情いたします。